2008年03月28日

桜満開です

代々木公園の桜が満開です。
朝は、花見の客もいないので、最高でした。
春が咲きほこってます。
気分いいですよねー。

気温もすごしやすいし、本当にいいかんじです。
こんなときは、春の風を全身にあびながら、読書したいもの。
何を読もうかと迷ってしまいます。

桜といえば、思い出すのは、梶井基次郎ですね。
たしか中学生の時に読みました。
『桜の木のしたには、死体が埋まっている』の名フレーズを残した作家です。

命の盛りを見せる、桜の花を見て、それがいつまでも続くわけではない、いつか訪れる『死』を、その花盛りにダブルイメージした、詩人の感性に感心しました。
夭逝した作家ですので、残した作品は多くはありませんが、秀逸なものが残っています。
なにより詩情あふれる文章は、青春を感じさせます。

『梶井基次郎全集』、高校生の僕には高価だったけど、こずかいはたいて買いました。
もう一度読んでみようかなぁ。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 11:40 | Comments(1) | 

2008年03月25日

ライラの冒険

映画『ライラの冒険・黄金の羅針盤』を見て来ました。

ハリーポッターからの流れにある、ファンタジー映画です。
ハリーポッターがヒットしてくれたおかげで、ファンタジー小説が、次々と映画化されてうれしいです。
『指輪物語』シリーズも見れたし、もうすぐ『ナルニア国物語』も見れますね。

異世界を描くファンタジー小説は、もともと映画化に向いてるんですよね。

『ライラの冒険』の原作は、フィリップ・プルマンの小説『黄金の羅針盤』。
イギリス人の作家です。
やはりイギリス人は、ファンタジーが好きなんですよねー。
ファンタジーの名作は、たいていイギリス人が書いてますもんね。

僕はまだ原作小説を読んでないので、これから読んでみようかなって思ってます。
映画では描ききれていない人物の設定とか、ドラマがきっと小説には書き込まれているんでしょう。

この作品には、動物好きの人には、たまらない設定があります。
人間には、動物の姿をした守護精霊(ダイモンと呼ばれる)がついていて、その守護精霊と人間とは、一心同体なんです。
子供のダイモンは、形が安定していなくて、いろんな動物に変化します。
主人公ライラのダイモンも、オコジョになったり、鳥になったり、猫になったり、ネズミになったり、さまざまに変身しながら、彼女につきしたがうのです。
これが見ていて、すごく楽しかったです。

当然、動物がたくさん出てきます。
ほとんどを精密なCGで表現してるんですけど、これはCG技術が発達した今だからこそできる映像ですね。

ぼくは、ライラの友人になる、北極熊のイオレク・バーニソンが気に入りました。
登場してくるとき、アル中のだめ熊として登場するんですが、少女に助けられたことを恩にきて、まるで義経にしたがう弁慶のように、力強く少女を守りつづけます。
もうけ役です。

こういキャラクターを設定してあるあたりに、作者のうまさを感じます。

僕も、負けないように、いい物語をつむいで行こうと思いました。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 10:50 | Comments(1) | 映画

2008年03月24日

花見の季節

パソコンの修理費が高すぎる!
つい半年前も壊れたから、両方の修理費をあわせたら、新しいのが一台買えるじゃないかァ。
今度パソコン買うときは、ちゃんと保証に入って置こうと思いました。
でも、本当は、すぐに壊れないパソコンを作って欲しい!
きっと僕と同じように不満たらたらの人が、全国にいるんだろうなぁ。
できたらパソコンくらい自分で直せるようになりたいけど、これも難しい。
きっと、この悩みは、これからもずっとつづいていくんでしょう……(ため息)

仕事のアイディアを練るとき、僕はよく散歩します。
ひたすら歩きつづけます。
公園のなかをぐるぐると。
桜が咲き始めました。
気のはやい桜は、もう全開です。
来週の日曜あたりは、きっと花見客で公園は満員になるでしょうねー。

桜の前に、『もくれん』が見事に咲いています。
もくれんも、一週間ほどで散りはじめるので、いまが盛りです。
どうです、見事でしょう。
ほんとうにきれいです。
美しい四季を味わえる、この国の自然は本当にすばらしいと思います。

花見で思い出すのは、落語の『長屋の花見』や『頭山』です。
江戸時代の花見のようすというか、むかしから日本人は、桜で騒いでいたんだなぁっていう感じが、いきいきと伝わってきます。
ぜひ聞いてみてください。
そして、今年も楽しく、花見をしましょう。
春は、ほんとにいい季節ですね。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 16:18 | Comments(2) | 散歩

2008年03月21日

今どきの高校生は立派

『高校生意見発表会』なるものに行ってきました。
ドラマ教育をやってらっしゃる日大の渡部教授から、気軽に来ませんかと誘われたので、即興を教えている生徒を三人連れて参加したのでした。

僕らは、ぶっつけ本番で10分程度の即興芝居をやるつもり。
ところが、他の学校の生徒さんたちは、『原爆ドームの危機』だの『カンボジアを通して考えるODA』だの、難しいタイトルの発表ばかり。
パワーポイントを使っての、プレゼンテーションも本格的。
まじめな生徒さんばっかりなんです。

場違いなところに来てしまったと、ちょっと焦りました。
しかし、コニュニケーション能力を発揮することに関しては、インプロはなによりも意味があると信じて、生徒たちは、見事に即興芝居をやりきってくれました。
一年間教えてきたかいがありました。
『熱演賞』をいただきました。
僕は、彼女たちの成長をみることができてうれしかったです。
引率して行っただけなのに、なぜかものすごく疲れた一日でした。

出演料代わりに、帰りにファミレスでご馳走してあげたのですが、若さの食欲を目の当たりにして、自分の老いを感じましたね。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 12:48 | Comments(2) | 散歩

2008年03月20日

クラマーさんと、一ノ瀬さん

今日二回目の書き込みです。

佐賀新聞の記事に、昨日、鳥栖市民会館でクラマーさんの講演があったことが書いてありました。
クラマーさんの講演会。
行きたかったなぁ。
悔しいので、ブログに書いてしまいます。

クラマーさん。
日本のサッカーの父とも呼ばれている、偉大なコーチです。
そんな人が、わざわざドイツから来てくれて、講演会をしてくださるなんて、サガン鳥栖があったからこそ、GMの松本さんがいらっしゃったからこそですね。
今回の講演会を聞き逃してしまったことは、本当に残念です。
実際にクラマーさんの声を生で聞いて、エネルギーもらいたかったなぁ。

あともう一つ、これはうれしかったこと。

これも昨日の佐賀新聞の記事に載ってました。

佐賀市在住のアニメーション作家の、一ノ瀬さんの新作の上映会があること。
この一ノ瀬さんの作品、ユニークで、ほんとに面白いんです。
8年ほど前、佐賀市に出かけたとき、『ロボット・ポコム』の上映を偶然見たんです。
ダンボールで作ったユニークなSFアニメーションでした。
面白くて、作家の才能を感じさせる作品でした。
この人は、いずれ出てくる人だと感じましたね。
そのときから、ひそかに応援しつづけてます。

新作は『高橋宗太郎と雨の殺人者』
http://dangodyaya.com/
28日から、佐賀市シアターシエマで上映会があるようですが、残念ながら僕は行けそうもありません。
ぜひ見たかったんですけどね。
お近くの人は、ぜひでかけて見てください。
きっと面白いと思いますよ。

それから、パソコンは修理に出すことにしました。
まずはバックアップしなきゃ。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 09:12 | Comments(1) | 散歩

2008年03月20日

追悼・アーサーCクラーク

追悼・アーサー・C・クラーク

ニュースで、アーサー・C・クラークが亡くなったことを知った。
SFの巨匠だ。
映画になった『2001年宇宙の旅』は有名だが、僕は、『地球幼年期の終わり』が代表作だと思っている。
個人的には『渇きの海』とか『太陽からの風』『海底牧場』も好きだった。

実は、僕、クラークの著作をあんまり読んでいない。
いちおうSF研だったのに。
彼の著作には、人類や歴史に対する深い考察がこめられているんだけど、そのあたりを真面目に考えることから、僕は逃げていたんだと思う。
そこは、僕自身の浅さです。
すみません、クラークさん。

クラークは、晩年をスリランカの美しい海を見ながら暮らしていると聞いていた。
晩年の過ごしかたとしては、理想じゃないですか。
美しい自然の中で過ごせて。
享年90歳。
もう一度、読んで見ようと思います。

パソコンの調子は、あいかわらず戻らない。
たぶん、ファンがくたびれてきたんだと思う。
このまま暴走したままだと、ほんとうるさくて仕事にならない。
修理に出すべきか……それとも……
うーん、もったいない。
でも、これは仕事の道具だからなぁ。
しばらく考えます。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 05:50 | Comments(1) | 

2008年03月19日

パソコン不調

仕事で使っているメインのパソコンが、昨日から調子が変だ。
ファンが異常に大きい音を出して回っている。
机の上に置いてあるので、やたらとうるさい。ゴーッ、ゴーッって、大騒ぎ。
埃もまいあがる。
嫌な感じだ。

このパソコンはまだ二年くらいしか使ってないのに……
すでに一度マルチドライブとマザーボードを交換している。
ここにきてこの異常は、きっとまたどこかが故障しているにちがいない。
ショックだぁ。
どうしたらいいんだろう。

とほうにくれてしまう。
仕事に支障をきたさないように、いちおうサブのマシンも持ってはいるけど、いつも使ってる状態を保存してるわけではないので、やはりストレスは出てしまう。
最悪、いまのデータを保存しておかねばと思い、あわててハードディスクを買ってきた。
でも、データのコピーだけでも、時間かかるんだよねー。
パソコンのおかげで、いろんなことがずいぶん便利になったけど、そのぶん出費と面倒も増えてる気がする。

修理に出すべきか……
使えなくなっているわけではないし、ただうるさいだけで修理が必要なのだろうか。
それともなにか、簡単なことでなおったりするのだろうか。
きっとみんな僕と同じような問題にあってるんだろうなぁ。

この野郎って、パソコンを叩いたら、驚いたことにしばらくは静かになった。
でも、またゴーッゴーッって騒ぎだす。
僕に腹を立ててるんじゃないだろうかとさえ思ってしまう。
さて、どうする自分。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 11:04 | Comments(1) | 散歩

2008年03月18日

アクション映画好き

友人からすすめられたので、映画『バンテージ・ポイント』を見に行ってきた。
サスペンススリラーアクション映画。
監督、ピート・トラビス 脚本、バリー・L・レヴィ
出演、デニス・クエイド、マシュー・フッォクス、フォレスト・ウィテカー、ウィリアム・ハート、シガニー・ウィーバー。

面白かったァ。
大統領の暗殺計画とその実行を、8人の視点から描くという、ちょっと変わったスタイル。
今までもこういうスタイルの映画は、いくつかあったけど、8つの視点がラストに向かって盛り上がっていくサスペンスアクションを堪能しました。
『24』とか好きな人やアクション映画ファンには、おすすめですねー。

こういう映画を見て思うのは、やっぱり自分はアクション映画が大好きなんだということ。
ほんと好きです。
もうすぐ公開される『ランボー』とか『インディ・ジョーンズ』とか、絶対見に行きますね。
スタローンも、ハリソンもたぶん60歳過ぎてるはずなのに、がんばってるなぁ。
老人アクションムービーだよね。

でも、往年の大スター、ジョン・ウェインも老境に入って『マックQ』とか、『ラスト・シューティスト』とかアクションにこだわってがんばってましたよね。
アクションでスターになった人は、最後までアクションにこだわって欲しいと思うのが、観客の願望なんでしょうね。
その願望に応えるのが、スターなんでしょう。

僕もアクションにこだわって脚本書いて行きたいと思います。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 09:04 | Comments(2) | 映画

2008年03月17日

週末は忙しい

週末は、忙しかったぁー。

金曜日、
午前中は、DVDで『包帯クラブ』を見る。
原作、天童荒太。
監督、堤幸彦。
出演、石原さとみ、柳楽優弥。

現実の高校生が、この作品を見たら、どんなことを考えるのだろうか。
この原作は、舞台化に向いているんじゃないかと思った。
リアルな高校生が、これをやったら、きっと演じながら、いろんなことを考えて成長するだろう。

そんなことを考えながら、息子の卒業式に行ったら、リアルな高校生たちが、それぞれの思いを胸に並んでいた。
式のあとの、卒業生を送る会は、在校生による、歌あり芝居ありダンスありのエンターテイメント。
面白かった。
会場を出ていく卒業生の目に涙を見て、僕も泣きそうになった。

土曜日は、昼間は、三原塾の公演『月夜のパラソル』を見に行く。
昭和初期にムーランルージュで活躍した作家、伊馬春部の戯曲を取り上げてくれた。
なかなか見る機会のない脚本に光をあててくれるのは、演劇ファンにはうれしいことだ。

夜は、ザバダックとしても活躍中のシンガー、小峰公子さんのライブを見る。
音楽には、いつも憧れる。
自分が演奏できないので、自由に音と遊べる人がうらやましい。

日曜日は、昼間は、紀伊国屋で、二兎社の公演『歌わせたい男たち』を見る。
作・演出、永井愛。
出演、戸田恵子、大谷亮介、近藤芳正。
いい芝居だった。
卒業式に、君が代を歌わない男と、歌わせたい男と、演奏しなきゃならない女が、それぞれの立場でぶつかりあう姿を、楽しい芝居にしたてあげてた。

実際の教育の現場の雰囲気を想像する。
この芝居ほどではないにしろ、こういう問題は、いろんなところであるんだろうなと思う。
ただ、僕は、人の立場だけの関係性だけで、こういう芝居を書き上げた、永井さんに感服。
やっぱりうまいなぁ。
戸田さんは、すばらしかった。
楽屋を訪ねたら、すっぴんだったので、びっくり。
そりゃ、そうだよねー。
アンパンマンから、ミュージカル、そして、こういうストレートな芝居まで、戸田さんは今、全盛期だ。

夜は、サンモールスタジオに、知り合いの役者、金子岳憲が出演している舞台『イノチトリなゲーム』を見に行く。
脚本・広瀬格、演出・板垣恭一。
これはまるでテレビドラマの企画みたいな芝居。
密室に閉じ込められた人が、一時間のリミットで、殺し合いをしなければならなくなるという、異常事態サスペンス。
8名の出演者たちが、ギリギリの状況に追いこまれていく姿を描きながら、謎解きをしていくというストーリー。
試みは、面白いと思ったけど、演劇としては、もう少し深いところまで行って欲しいと思った。

そんなこんなで、仕事をさぽってばかりの作家の週末でした。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 09:49 | Comments(2) | 演劇

2008年03月14日

ケロロ軍曹と五反田団

U監督から、上映中のケロロ軍曹の映画のプロットを聞かされて、ちょっと気になり、見に行ってきた。
『超劇場版ケロロ軍曹3・ケロロ対ケロロ 天空大決戦であります!』

さすがに平日昼間の12時の回だったので、お客は少なく、まるで自分の試写室気分。
いちばんいい席で、ゆったりと見られた。
しかし、僕も某Pアニメの映画版の脚本を書いているので、映画を見ていても、ついつい制作側の気持ちになってしまう。
これは職業病だね。

ケロロ軍曹もテレビシリーズから、映画に発展してきているメディアミックス作品。
制作している現場は、サンライズなので、ガンダム(ガンプラ)とかも出てきてしまう。
最後は、ケロロがガンダムに乗って敵と戦ってしまったりするのだ。
とにかくテンポが早く、アクションもたっぷり、友情こってりという、豪華な作りになっていた。

脚本は知り合いの、横谷さんだった。
彼も、最近たくさん仕事してるなぁと、感心。
アニメや映画ファンへのくすぐりがたっぷり入ったシナリオで、楽しませてくれました。

僕はケロロ軍曹の漫画もテレビアニメも、いっさい見たことがなかったので、基本設定がわからずに、少しとまどったところもあったけど、迫力あるアクションアニメになっていたので退屈することはありませんでした。
これなら子供を連れていく親も、見れますね。
つくづく日本のアニメはレベルが高いと実感。

おれも負けないように、『がんばるぞっ!』と気合が入る。

夜は、駒場東大前にあるアゴラ劇場に、五反田団の公演を見に行く。
『偉大なる生活の冒険』作・演出、前田司郎

前田くんは、いぜんにNHKの仕事をしたときに知り合った。
まだ30歳と若いのだが、昨年は演劇界の新人の登竜門である、岸田戯曲賞を受賞し、処女小説集が、芥川賞の候補にもなったという人。
ふだんはボーッとしている感じの人なのだが、とっても才能ある人なのだ。

今回の芝居では、主演もやっていた。
とにかくダメダメ人間の青年が、アパートでごろごろしたり、ゲームしたり、恋人と喧嘩したり、妹にしかられたりするだけの芝居なんだけど、なんだか面白い。
狭い劇場の一角を、アパートの一室に見立てて、スーパーナチュナルな会話劇が展開する。
役者が、だらだらしながら、セリフをしゃべってるだけなんだけど、それがなんだか面白くて、じわじわと染みてくる。
最後には、ジーンと感動してたりするから、すごい。
いい芝居でした。
ほんと、うまいセリフを書くなぁと感心。
この前田司郎くんは、たぶんあと30年は、日本の演劇をひっぱっていく人の一人だと思う。

タイトルも知らずに見に行った芝居だったけど、出演者五人のうち、四人が知り合いという、超身近な舞台だった。
終演後、舞台の上にしいたビニールシートの上で、ご飯をいただいた。
役者さんの一人がつくってくれた、お味噌汁がおいしかった。

僕がアングラ劇団で役者をやっていたころは、芝居が終わると、毎日居酒屋で見に来てくれた関係者たちをまじえての酒宴だった。
そこで先輩たちに、ダメ出しされたり、お客さんを接待したり、若手の役者は大変だった。
それが一番の勉強にもなったんだけどね。

この五反田団は、のんびりとご飯を食いながら、お客さんと歓談してる。
こういうのもいいなぁと思う。
時代は変わったのね。

前田くんは、三十歳。
ハイバイの岩井くんも、同い年くらい。
イキウメの前田くんもそのくらいか。

三十歳くらいって、ほんと才能があふれちゃうころなんだよねー。
ぼくも、二十年前は、ずいぶんいい仕事してた気がする。(自分で言うかァ! すみません)
もちろん、今は今で、経験の蓄積をふまえての仕事してますけどね。
仕事の質を落とさないというのは、難しいもんです。
若さとか、勢いとかは、当然なくなっていくわけだから。
ちょっと若手に嫉妬してます。

どにかくがんばるしかないと、自分に言い聞かせるのでした。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 07:49 | Comments(1) | 映画

2008年03月13日

即興は面白い

高校生が意見を発表する会に、僕が演劇を教えている東放学園高等専修学校の生徒も寸劇で出演することになりました。
お稽古できる日数は、四日。出演者は三人。
さて、どんな出し物を作ろうかということになり、去年一年やってきた、インプロ(即興)を使って作品をつくることに。

生徒たちと、テーマを話し合い、それぞれのアイディアを共有し、あとはいきなり即興芝居をやりはじめる。
ディレクターである、僕が基本的には交通整理はしていくんだけど、「こうしたらいいよ」的な演出はいっさいつけません。
すべては高校生たちの判断と、彼らのなかから出てくるものを尊重していきます。
これが面白い。

リアルな高校生のセリフがポンポン飛びだしてて、いきいきとしたシーンが出来上がっていきます。
僕がいくら頭をひねっても書くことはできない、フレッシュなセリフです。
きっといい台本ができるにちがいないと確信を持ちました。
稽古期間は短いけど、いい作品ができるでしょう。
発表会が楽しみです。

この即興から、台本を作っていくやりかたは、『デバイジング』と言われてます。
この方法は、一昨年にイギリス人の演出家のドリュー・ポッツのワークショップに参加して教えてもらったものです。
台本をつくっていくまでの過程を、参加者全員が共有していくというのが、すばらしいと思いました。

こういうやりかたで芝居をつくっていくという体験を、高校生がやることが大事だと思ってるわけです。
つくる芝居が面白ければ、それはもちろんだけど、共同制作をやるという体験こそが貴重だと。
人と協力して、作品をつくるということは、自我ばっかりを通すわけにはいきませんからね。
こういう体験を通して、大きく成長してもらえたらなって思います。

鳥栖市でも、小学校から高校までぜんぶまわって一日ワークショップをやらせてもらいましたが、やはり一日ではやれることも限界があります。
いつかまとめて時間をとって、ワークショップやってみたいですねー。

写真は、ビールのCMを気取る、ばかな親父。
たまにはあったかいところはいいもんです。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 09:35 | Comments(1) | 演劇

2008年03月12日

SF研究会でした

大学生の時は、芝居ばっかりやっていたのですが、いちおうサークルというものにも入ってました。
明治大学SF研究会。
サイエンスフィクションとミステリーの愛好サークルです。
トイレを改装したところに部室がありました。(これホント)
窓が、トイレ用の小窓なんです。
そんななかでSFやミステリーのことを語らうかといえば、そうではなく少女マンガやゲームの話題でもりあがる、まさにオタクの巣窟だったのです。

そのミニOB会に出席してきました。
みんな五十歳近くになり、容姿は当然変わってました。
しかし、声と身振りは変わってないんですねー。
人間って、基本的に二十歳こしたら、あんまりかわんないんだなぁと思います。
中年から壮年、そして老いていくなかで、変化はしていくんでしょうけど。

それぞれ大学を卒業したあと、会社に入ったりして、三十年近く勤めてくると、貫祿がでたり地位があがってたりするんですけど、二次会のカラオケでは、無邪気にアニメソングで盛り上がりました。
連帯感をもてるの最大のアイテムは、おさないころに見たアニメの主題歌というのも、SF研ならですかね。

僕もふくめて、何人かは、会社に属さないフリーの立場で生活をつづけてました。
しかし、スーツを着てるか、ラフなシャツを着てるかくらいの違いで、五十過ぎても、みんな大学生のときと同じ雰囲気でしたねー。
やはりそのころの仲間というのは、会った瞬間、当時の関係性に戻るんでしょうね。

なんかタイムスリップをしたような気になりました。
タイムスリップといえば、『ジャンパー』という映画が公開されてますね。
ぜひ見に行きたいと思ってるんですけど、あのポスター、世界各地で違うみたいですね。
日本版には、東京タワーが映ってます。
グアムで見たポスターは、スフィンクスのうえに主人公が立ってました。
写真はグアムのシネコンです。

  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 11:06 | Comments(0) | 映画

2008年03月11日

サガン開幕戦勝利おめでとう

サガン鳥栖、開幕戦の勝利、よかったですねー。

残念ながら、ベストアメニティスタジアムに駆けつけることはできなかったんですけど、グアムから勝利を祈って、念を送ってました。
開幕戦に勝つっていうのは、本当にいい気分です。
ゴールシーンも、ユーチューブで見れました。
アップしてくれた人、サンキュー!

サガンの勝利で、気分よく帰国しました。

今回、映画を見て、散歩してと、ほとんど何にもしない旅行だったんですけど、こんなものを発見しました。
グァムの郊外にあるマクドナルドのローカルブレックファーストというものです。
現地の人向けの朝食メニュー。
ごはんとスクランブルエッグとハム。
マクドナルドで、ごはんが食べられるとは、驚きでした。
これを日本でもやったら、けっこう売れるんじゃないかと思いましたよ。

帰りの飛行機のなかで、『オーガスト・ラッシュ』という映画を見ました。
親を知らずに育った11歳の少年(オーガスト)が、音楽の才能と運命の導きで、両親と再会するまでのお話。
音楽映画としても、すごくいい出来。
物語は予測できる展開なんだけど、やっぱり感動してしまいました。
いずれ日本でも公開されると思うけど、ヒットの予感です。

佐賀新聞がこのブログのことを掲載してくださったおかげで、またたくさんの人がみてくれたようです。
コメントもたくさんいただきました。
ありがとうございます。

  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 10:10 | Comments(2) | 映画

2008年03月08日

クアムで映画

グアムにきてます。
友人の映画監督や脚本家、そして俳優一名の男ばかり五人連れです。
グアムでは、この監督がいぜん映画を撮影したことがあり、けっこうなじみの島です。

この島に来ても、海に行ったりすることはほとんどありません。
何をしているかというと、やはり映画です。
グアムは、日本から三時間のアメリカ。
アメリカ映画が公開されてます。

今は世界同時公開とか増えましたけど、いぜんは日本に映画がくるまで、けっこうタイムラグがあったりしたので、せっかちな僕らは、グアムまで映画を見に来てたりしてました。
日本では公開されない作品とかもありますしね。

今日は、『ザ・バンク・ジョブ』というのを見ました。
【監督】 ロジャー・ドナルドソン
【出演】 ジェイソン・スタタム、サフロン・バロウズ、スティーブン・キャンベル・ムーア、ダニエル・メイズ、ジェームズ・フォルクナー

実はが元になっているようですが、銀行強盗したら、とんでもないものを手に入れてしまい、いろんなやつらに追われることになる、家族思いの男を描いてます。
 実話の形をかりてはいますけど、構成はシチュエーションコメディそのものです。

 英語力の問題で、セリフを全部理解できるわけではないので、ストーリーの細かいところまではわからなかったのですが、ハラハラの連続で、なかなかいい出来の犯罪コメディにしあがっていました。
 犯罪コメディといえば、以前にこのブログでも紹介した、ドナルド・E・ウェストレイクなどの著作に面白いものが多数あります。

 プロの犯罪者を主人公にして、彼らに感情移入するような形でつくられているという点では、この『バンクジョブ』は、完全にその系列の作品ですね。

 これに近い形のテレビドラマでは、有名なのは『ルパン三世』とか『キャッツアイ』とかすぐに思い浮かびます。
 『スパイ大作戦』(映画になった『ミッションインポッシブル』の原作になったドラマ)なども、形をかえた犯罪者物と言えるでしょう。

 犯罪者を主人公にするのは、けっこう難しいんです。
 主人公は、読者や視聴者に受け入れられる人物にしなければならないんですが、犯罪を犯す人間という設定じたいが、まず受け入れられずらいからです。
 そのために作家たちは、いろいろ工夫をします。

 盗みを働くにしても、人のために盗む(義賊)であるとか、盗みはしても、権力者や大金持ちからしか奪わないとか、さらに巨大な悪人に、無理やりやらされているとかね。
 この『バンクジョブ』でも、主人公を家族思いのやさしい男(かわいくて小さな娘が二人いる)という設定にしてました。

 人に受け入れられるというのは、けっこう難しいことです。
 僕たち、物語作家は、主人公をどうやって読者に受け入れられる人として作れるかに頭をしぼっています。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 02:55 | Comments(2) | 映画

2008年03月06日

深津絵里の谷崎潤一郎世界

佐賀新聞が、このブログのことを紹介してくれました。
感謝です。
図書館の小さな企画を、とりあげてもらえるなんて、まさに地域に根ざした新聞ですね。
サガントスも応援してくれてるし、ありがたいですねー。

ところで、昨日、ぼくは酸素カプセルなるものを体験してきました。
よくいく近所のマッサージ屋さんが導入してので、お試しさせてもらったのです。
魚雷みたいなカプセルに入って、高気圧高濃度の酸素のなかに数十分ひたるわけです。
どういう効果があるのかは、よく知りませんが、不思議な体験でした。
カプセルから出ると、なんとなくすっきりしたような気分。
スポーツ選手の治療とかにも使われてるみたいですね。

夜は、世田谷パブリックシアターで、サイモン・マクバーニー演出の『春琴』を見ました。
出演は、深津絵里、ヨシ笈田、チョ・ウソンハ、宮本裕子、など。
深津絵里さんは、美しく。声をいくつも使い分けた演技をしていて、いい俳優さんになったなぁと思いました。
こういう文学的な作品に出演するのは、人気俳優としては挑戦だったと思うけど、すばらしい結果を残してます。
これからも注目の女優さんですね。

この日は、千秋楽だったんですが、見に行ってよかったなぁと心から思いました。
観客も、息を殺して見つめつづけ、出演者も、それにこたえて創造性あふれる演技をする。
舞台と観客席が、すばらしい関係性をつくりだしてました。

サイモンのカンパニーは『コンプリシテ』(共犯者)というらしいが、まさに、観客と表現者が共犯関係をもった瞬間だったと思う。

谷崎潤一郎の『春琴抄』と『陰影礼賛』が原作になっていて、それを見事に舞台の上で、肉体化していました。
谷崎文学は、独特の耽美の世界を持っています。
日本的なその美の世界を、イギリス人の視点で、とらえるとこうなるのかという面白さもありました。
外国人の視点から、日本を見たときのほうが、かえっていろんなものがクリアに見えることもあるんのかもしれません。

もちろん谷崎潤一郎の作品ですから、エロスは満載。
ただ、裸とか、くんずほぐれつとかのエロスではなく、人間の奥底にひそむ欲情みたいなもの。
そういうものが表現されていたと思います。

僕は、純文学と呼ばれているものにたいしては、ちょっと苦手意識があって、あまり読んでなかったんだけど、これからもっと読んでみようかなと思いました。
まだまだ読んでない、日本の名作がたくさんあると思うと、ちょっとうれしくなりますね。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 16:09 | Comments(0) | 

2008年03月04日

のらくろ

『親父の本棚』には、『のらくろ』があった。
田川水泡の漫画だ。
『のらくろ』は、黒い犬を擬人化したキャラクター。
のらくろが、軍隊にはいって、いろんな体験をしていくという話だった。

田川水泡という人は、戦前から活躍した有名な漫画家で、『サザエさん』の長谷川町子など、優秀な弟子を育てた人でもある。
親父の本棚にあったのは、オールカラーでハードカバーの、のらくろ全集だった。
だぶん復刻版。
きっと僕の父親の年代(昭和五年生まれ)は、子供ののころに、のらくろを読んで育ったんだろう。
それで復刻版が出たときに、なつかしくて買ったんでしょう。

『のらくろ』は、あとでアニメになったりしたので、今でも知っている人はけっこういると思いますが、アニメになったのらくろは、原作のとはかなりちがってました。
だって、原作の『のらくろ』は、日本軍の兵隊だったんですから。

当時の子供たちにとって、大人になったら軍隊に入るということは、当然のことだったんでしょうね。
今ではとても考えられないことですけど。

それにしても、この『のらくろ』全集は、かなりすごい内容でした。
日本軍(犬の軍隊)が、豚の国や羊の国や熊の国と戦うわけですから。
あきからに日本軍が中国やソ連と戦う姿が描かれてます。
国策漫画だったのか、それとも、そういう時代を批判していたのか。
僕は、戦争の悲惨さを描いていると感じました。

いまや幻の漫画となってしまった『のらくろ』ですが、ストーリー的にも、とても面白かったことを記憶しています。
今の日本の漫画全盛時代のルーツに、この『のらくろ』があることは明らかです。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 11:26 | Comments(2) | 

2008年03月02日

竜馬がゆく

『親父の本棚』から借りて読んだ本で、面白かったのは、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』でした。
『竜馬がゆく』は、司馬遼太郎の代表作の一つ。
すごく面白くて、一気に読んでしまいました。

坂本竜馬の生涯を小説化したもので、明治維新の立役者をみごとに活写しています。
僕は、この本を歴史者というよりは、青春小説として読んだ気がします。
明治維新は、現代の日本にとっては、まさに青春時代だったのかもしれません。

親父の本棚には、司馬作品がけっこう並んでいたのをおぼえています。
『坂の上の雲』『燃えよ剣』『樅の木は残った』などです。
中学生くらいだった僕は、なんとなく寄りつきにくくて、手を出してませんでしたが、竜馬がゆくを読んでからは、見かたが変わりました。
歴史小説も面白いじゃないかと。

これらはあくまでも小説であって、ドキュメンタリーではないのですが、教科書の歴史を丸暗記するよりは、小説を読んで歴史に興味を持つほうが、断然面白いと思います。
高校生たちには、歴史小説をすすめたいですね。

高校の授業で、世界史を選択した人は、映画『グラディエイター』とか、アニメの『プリンス・オブ・エジプト』なんか必見だと思います。
そういう面白いところから、勉強に入って行くのが、断然効果的。
高校のときに、世界史の先生がそういうところを教えてくれたら良かったのにと、いまさらながらに思います。

このあたりの歴史は、映画のこれこれを見るといいよとか、漫画のこれこれに出てるよとかね。
フィクションとなったそういうものに、正確な歴史の記述がなされているとは思いませんが、まずは興味を持つことが先決ですもの。

まずは『面白い!』と思わせること。
教える側は、それが一番大事だと思います。

教育は、エンターテイメントだ!
学校の先生たちが、みんなエンターテイナーになってくれたら、その学校は、どんなに楽しいところになるでしょう。
それこそ理想の学校ですね。

司馬遼太郎は、歴史をエンターテイメントにした人だったと、僕は思います。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 10:06 | Comments(2) | 

2008年03月01日

青春の門

今日は、息子の誕生日。
19歳。
自分19歳だったときのことを、振りかえる。
そう、みんな19歳だったのだ。

僕の19歳は、なんだかほとんど記憶にない。
この歳になにをやったとかいう、記憶に残るようにイベントがまったくないのだ。
浪人生活をしていたくせに、受験勉強にほとんど乗り気になれなれなかった僕は、受験にも失敗し、浪人を決めていた。
することもないから、毎日、本ばっかり読んでいた気がする。

まぁ、いわゆる逃避行動だったのでしょう。
でも、そのおかげで、本はたくさん読めました。
よくよく考えると、一番、いい時間を過ごしていたのかもしれません。
なんにも束縛されることなく、すべての時間を自分のために使えたのだから。

よくバイクで、筑後川のほとりまで行き、本をよみながらボーッとしていました。
そんな僕を、はげましながら見守ってくれていた両親に、いまさらながら感謝です。
自分が親となり、19歳の息子を目の前にすると、親の気持ちがよくわかります。

若者は、自分の力で、世界と向かい合わなければならない。
親は、見守るしかありません。
心のなかで、応援してるよと、つぶやきながら。

19歳の時に読んだ本で、記憶に残っているものの一つに、村上龍の『限りなく透明に近いブルー』があります。
彼が芥川賞をとって一躍文壇に躍り出たデヴュー作。
村上龍は、佐世保の出身なので、親近感がありましたが、作品の内容は、基地の町に住む若者がドラッグとセックスに溺れて、むちゃやってるという感じのものでした。
自分よりも、少しだけ年上の人が、東京ではこんなことをやっているのかぁと、衝撃でした。
フィクションなのにね。
純文学は、どうも苦手なので、それ以降はほとんど読んでませんけど。

同時期に、五木寛之の『青春の門』も読みました。
これは面白かったなぁ。
自立編まで、一気に読んだ記憶があります。
五木寛之は、福岡県八女市出身の作家です。小説の舞台も、福岡の炭鉱の町だったので、すごく親近感を抱きました。
当時、この小説は、映画化もされて大ヒットしました。

そういえば、『青春の門』は、うちの親父が買ってた本でした。
親父の本には、あんまり手をつけなかった僕でしたが、この青春の門と、吉川英二の『宮本武蔵』は、親父の本棚から借りて読んだ本でした。

『親父の本棚』
なんだか、小説のタイトルになりそうですね。
  


Posted by 名誉館長 園田英樹 at 09:14 | Comments(0) |