2008年08月13日
谷本歩実選手
谷本歩実選手、金メダルおめでとうございます。
昨日の、谷本選手の柔道には感動させられました。
優勝したからというのもあるんですが、その闘う姿勢に感心したのです。
やはり、勝つ選手というのは、こうなんだなぁと、あらためて思いました。
決勝戦の畳みにあがるまえ、彼女の顔には、一瞬微笑みが浮かびました。
ふつうならば緊張して、力が入り、固くなってしまうのが普通のところなのに、なんと彼女は笑ったのです。
優勝後のインタヴューで、彼女はこう言ってます。
「デコス選手と戦えるのが、うれしかった」
「彼女とは十年くらい戦いつづけていて、彼女はこの階級では最後の試合なので」
『うれしい』気持ちと、『相手を思いやる』気持ち。
この二つの気持ちを胸に、彼女は試合に臨んだわけです。
あと、こうも言っています。
「試合中のことは、なにも憶えてない。気がついてたら、飛び跳ねてた」
「体が自然に動いていた」
つまり、集中し、いわゆるゾーンに完全に入っていたわけです。
これはまさに、自分の力(能力)を出し切るための極意です。
ハッピーとレスペクト。
そして、完全なる集中。
一番大事な瞬間に、この精神状態になれた谷本選手は、本当にすばらしいアスリートだと思います。
『ハッピーでいること』
『相手を助けること(大事にすること)』
これは、即興芝居(インプロ)をやるときのプレーヤーが持つべき精神状態そのものです。
この状態こそ、リラックスして、自分の持っているアイディアや、相手のアイディアを見逃さずにいられるからです。
スポーツと、芝居と、ジャンルは違いますけど、舞台に上がる前の精神状態ということでは共通するものがあるんですね。
本当に、プレーヤーが実力を出すための精神状態とは、どういうことかということを、あらためて教えてくれた、谷本選手の試合だったと思います。
Posted by 名誉館長 園田英樹 at 10:15 | Comments(0) | 演劇
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