2008年01月14日
本のプレゼント
僕がはじめて本のプレゼントをもらったのは、小学校一年生の頃だったと思います。
その本は、宮沢賢治の『セロ弾きのゴーシュ』
宮沢賢治の作品集です。
『注文の多い料理店』や『どんぐりと山猫』なんかも入っていました。
紙の箱入りで、臙脂色の布表紙に、金文字でタイトルが刻印されている、とても綺麗でりっぱな本でした。
それを僕にくれたのは、父方の祖母。
いままでの人生でいろんなプレゼントをもらいましたが、最初のプレゼントの記憶は、この本です。
おばあちゃんは、どんな思いで、僕に宮沢賢治の本をくれたんでしょう。
そんなことを、今、思ったりします。
あの本は、いまでも実家のどこかにあるはず。
いい本でした。
でも、いま思い返すと、このおばあちゃんからもらった本を、ちゃんと読んだのは、もう少し大きくなってからだったような気がします。
小学校一年生の僕にとっては、少し早すぎたのかもしれません。
『どんぐりと山猫』の話が一番記憶に残ってるのも、その一年生という年齢にあっていたからなんでしょう。
本との出会いも、読者の年齢や経験によるところは大きいですよね。
その人の年齢にマッチした本と、ちゃんと出会えるかどうかって大事です。
やはり子供たちには、そういう本を、ちゃんと推薦してくれる人がまわりにいてくれるのが必要なことです。
図書館の役割は、そういう部分もになっていくのかもしれません。
年齢にあわせた、推薦本のコーナーとかつくってみるのもいいかもしれません。
すでに存在していたら、図書館のスタッフのみなさん、もうしわけない。
いろんな本との出会いのチャンスを、市民の人たちに与えてあげられる。
しかも無料で。
図書館って、すてきな場所ですね。
Posted by 名誉館長 園田英樹 at 17:00 | Comments(0) | 本
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。