2008年01月29日

空を見上げたら

ふと空を見上げたら、ビルの工事現場に、巨大なクレーンがあった。
それで、思い出したのが、『クレーン男』

クレーンの上で暮らす男のお話。
ずいぶん昔に読んだ本だったので、中身はほとんど忘れてたんだけど、クレーンの上で生活をするってことだけは、はっきりと憶えてました。

なんか狭いところで暮らすって、少年の頃の夢じゃないですか?
秘密基地とか。
ぼくも、幼稚園とか小学校の低学年のころ、裏庭に秘密基地をつくってました。
すっぽりと自分が入れるくらいの穴をほって、それに草でふたをして、なかにうずくまってお菓子を食べたり、マンガを読んだりして楽しみました。
ツリーハウスにも憧れて、家の近くの雑木林のなかに作ろうとしたことがあったけと、これはけっこう大変な作業で、ちょっと腰掛けるくらいのものしか、作れなかったなぁ。

巨大なクレーンの上って、なんかそういう秘密基地的なワクワク感がありますもんね。
下界を見下ろして、生活するって楽しそうですもん。

タイトルは憶えてたんだけど、書いた人は誰だったか忘れてました。
たしかカレル・チャペック的な、東欧系の人だった気がする。
そう思って、タイトルをグーグルに入力したら、すぐに出ました。
インターネット、ありがとう。
空を見上げたら
作者は、ライナー・チムニク。
ドイツの人でした。
翻訳は、矢川澄子さん。あの、渋沢龍彦の奥さんだった人。
有名な本だったんですね。

あらすじ読んだら、ストーリーも思い出しました。
童話なんだけど、社会批判みたいなのも、ユーモアにくるんで入ってます。

でも、きっと作者の人は、クレーンを見上げたときに、あの上に秘密基地を作ったらって妄想したんじゃないかぁ。
そんな気がする。
なんか映画で、エレベーターの中に暮らしている人が出てくるのがあったけど、エレベーターに住むよりは、クレーンの方が絶対にいいなぁ。



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Posted by 名誉館長 園田英樹 at 12:39 | Comments(0) | 
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