2008年03月01日

青春の門

今日は、息子の誕生日。
19歳。
自分19歳だったときのことを、振りかえる。
そう、みんな19歳だったのだ。

僕の19歳は、なんだかほとんど記憶にない。
この歳になにをやったとかいう、記憶に残るようにイベントがまったくないのだ。
浪人生活をしていたくせに、受験勉強にほとんど乗り気になれなれなかった僕は、受験にも失敗し、浪人を決めていた。
することもないから、毎日、本ばっかり読んでいた気がする。

まぁ、いわゆる逃避行動だったのでしょう。
でも、そのおかげで、本はたくさん読めました。
よくよく考えると、一番、いい時間を過ごしていたのかもしれません。
なんにも束縛されることなく、すべての時間を自分のために使えたのだから。

よくバイクで、筑後川のほとりまで行き、本をよみながらボーッとしていました。
そんな僕を、はげましながら見守ってくれていた両親に、いまさらながら感謝です。
自分が親となり、19歳の息子を目の前にすると、親の気持ちがよくわかります。

若者は、自分の力で、世界と向かい合わなければならない。
親は、見守るしかありません。
心のなかで、応援してるよと、つぶやきながら。

19歳の時に読んだ本で、記憶に残っているものの一つに、村上龍の『限りなく透明に近いブルー』があります。
彼が芥川賞をとって一躍文壇に躍り出たデヴュー作。
村上龍は、佐世保の出身なので、親近感がありましたが、作品の内容は、基地の町に住む若者がドラッグとセックスに溺れて、むちゃやってるという感じのものでした。
自分よりも、少しだけ年上の人が、東京ではこんなことをやっているのかぁと、衝撃でした。
フィクションなのにね。
純文学は、どうも苦手なので、それ以降はほとんど読んでませんけど。

同時期に、五木寛之の『青春の門』も読みました。
これは面白かったなぁ。
自立編まで、一気に読んだ記憶があります。
五木寛之は、福岡県八女市出身の作家です。小説の舞台も、福岡の炭鉱の町だったので、すごく親近感を抱きました。
当時、この小説は、映画化もされて大ヒットしました。
青春の門
そういえば、『青春の門』は、うちの親父が買ってた本でした。
親父の本には、あんまり手をつけなかった僕でしたが、この青春の門と、吉川英二の『宮本武蔵』は、親父の本棚から借りて読んだ本でした。

『親父の本棚』
なんだか、小説のタイトルになりそうですね。


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Posted by 名誉館長 園田英樹 at 09:14 | Comments(0) | 
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