2016年03月10日
感情をエンジンにしてください
ストーリー脚本教室(実践編25)
あなたのストーリーに、翼を! の続きです。
◯感情は動いているのか?
あなたが書いたストーリーの中の、一つのシーンに、なんとなく違和感を感じたとします。
「んー、なんだろ、なんかあんまり面白くないなぁ……」
ストーリーは進んでいるんだけど、平板な気がします。
自分で組んだ構成の通りに書いてるはずなんだけど、なんか足りない……。
そんなときは、あなたの無意識が、警戒警報を鳴らしているのです。
なんとかしましょう。
しなければなりません。
翼を! です。
警戒警報がなる理由がなんなのかわからないときの、チェック方法の一つは、そのシーンの中で登場人物の感情が動いているかどうかを見ることです。
たとえば、そのシーンは、一年ぶりに親友同士が再会するシーンだったとします。
山田「ひさしぶりだね、鈴木くん」
鈴木「うん。一年ぶりくらいか。元気そうだな、山田も」
山田「ああ。元気にやってる」
鈴木「よかった。どうしてるかと思ってたんだ」
山田「ごはでも食べようか」
鈴木「うん、行こう」
二人はカフェに入っていく。
だめなシーンですね。
ちっとも面白くないし、見事なダンドリ芝居になってます。
それに『感情』の変化が足りません。
一年ぶりに会ったんです。もっと感情が動いて当然じゃないですか。もしかしたら、二人は、なんかの事情があって離ればなれになったかもしれないのに。
感情を動かしてみましょう。
山田、鈴木を見て絶句する。
山田「…………」
鈴木「山田……」
二人、しばらく黙ったまま見つめ合っている。
山田、感極まって泣き出す。
鈴木「何で泣いてんだよ……」
山田「だって……」
山田、うれしさが爆発して、鈴木に抱きついていく。
山田「鈴木ーー、会いたかったよォ!」
鈴木「おい、やめろよ、人が見てるよ」
山田「すずきーーっ!」
うん、ずっとよくなりました。
なんだか次に期待できる流れが出てきましたね。
これくらい山田が喜んでるからには、二人の間で、きっとなにかがあって別れたに違いないって思います。
このあとも、二人の関係がどうなっていくのかに期待が持てます。
なによりもシーンのエネルギーがあがりました。
ただ、より感情を動かしただけです。
日常生活の中では、われわれはできるだけ感情を表に出さないようにして生活しています。
それほど大きな感情を動かすようなできごとは、しょっちゅうは起きないし、あまり人前で感情をあらわにすることを抑える習慣があるからです。
しかし、ストーリー作りにおいては『感情の変化』は大いに使うべきことです。
『感情』は、ストーリーを動かしていく、大きなエンジンの一つなのです。
登場人物同士が影響を与え合って、感情を動かすチャンスがあったら、できるだけ大きく動かしましょう。
きっとシーンは、さらに面白くなるはずです。
◯閑話休題
即興芝居(インプロ)をやっている人たちなら、インプロゲームの中に『エモーショナルチェンジ』と呼ばれるものがあることは知っているでしょう。
最初に、基本のシーンを演じて、それをさまざまな感情バージョンで演じて、その変化を楽しむというものです。(見たことない人には、なんのことだがわかりずらいだろうと思いますけど、それはごめんなさい)
このゲームを発明した人は、おそらくさまざまな演劇のシーンの中で、感情がストーリーを大きく動かしていくエンジンだということを知っていたのでしょう。
そのことをインプロをやる俳優たちに、わかりやすく教えるために、このゲームを考案したのだと思います。
感情を使えば、ストーリーは動くということを俳優が知っていれば、即興の演技をやっているときに、感情を動かすチャンスがあれば、それを逃すことなく、大きく動かしてみようという気持ちになるはずでしょうから。
俳優は、芝居の中で感情の表現をすることが仕事です。
作家は、ストーリーの中で、感情を動かすシーンを書くのが仕事です。
あなたのストーリーに、翼を! の続きです。
◯感情は動いているのか?
あなたが書いたストーリーの中の、一つのシーンに、なんとなく違和感を感じたとします。
「んー、なんだろ、なんかあんまり面白くないなぁ……」
ストーリーは進んでいるんだけど、平板な気がします。
自分で組んだ構成の通りに書いてるはずなんだけど、なんか足りない……。
そんなときは、あなたの無意識が、警戒警報を鳴らしているのです。
なんとかしましょう。
しなければなりません。
翼を! です。
警戒警報がなる理由がなんなのかわからないときの、チェック方法の一つは、そのシーンの中で登場人物の感情が動いているかどうかを見ることです。
たとえば、そのシーンは、一年ぶりに親友同士が再会するシーンだったとします。
山田「ひさしぶりだね、鈴木くん」
鈴木「うん。一年ぶりくらいか。元気そうだな、山田も」
山田「ああ。元気にやってる」
鈴木「よかった。どうしてるかと思ってたんだ」
山田「ごはでも食べようか」
鈴木「うん、行こう」
二人はカフェに入っていく。
だめなシーンですね。
ちっとも面白くないし、見事なダンドリ芝居になってます。
それに『感情』の変化が足りません。
一年ぶりに会ったんです。もっと感情が動いて当然じゃないですか。もしかしたら、二人は、なんかの事情があって離ればなれになったかもしれないのに。
感情を動かしてみましょう。
山田、鈴木を見て絶句する。
山田「…………」
鈴木「山田……」
二人、しばらく黙ったまま見つめ合っている。
山田、感極まって泣き出す。
鈴木「何で泣いてんだよ……」
山田「だって……」
山田、うれしさが爆発して、鈴木に抱きついていく。
山田「鈴木ーー、会いたかったよォ!」
鈴木「おい、やめろよ、人が見てるよ」
山田「すずきーーっ!」
うん、ずっとよくなりました。
なんだか次に期待できる流れが出てきましたね。
これくらい山田が喜んでるからには、二人の間で、きっとなにかがあって別れたに違いないって思います。
このあとも、二人の関係がどうなっていくのかに期待が持てます。
なによりもシーンのエネルギーがあがりました。
ただ、より感情を動かしただけです。
日常生活の中では、われわれはできるだけ感情を表に出さないようにして生活しています。
それほど大きな感情を動かすようなできごとは、しょっちゅうは起きないし、あまり人前で感情をあらわにすることを抑える習慣があるからです。
しかし、ストーリー作りにおいては『感情の変化』は大いに使うべきことです。
『感情』は、ストーリーを動かしていく、大きなエンジンの一つなのです。
登場人物同士が影響を与え合って、感情を動かすチャンスがあったら、できるだけ大きく動かしましょう。
きっとシーンは、さらに面白くなるはずです。
◯閑話休題
即興芝居(インプロ)をやっている人たちなら、インプロゲームの中に『エモーショナルチェンジ』と呼ばれるものがあることは知っているでしょう。
最初に、基本のシーンを演じて、それをさまざまな感情バージョンで演じて、その変化を楽しむというものです。(見たことない人には、なんのことだがわかりずらいだろうと思いますけど、それはごめんなさい)
このゲームを発明した人は、おそらくさまざまな演劇のシーンの中で、感情がストーリーを大きく動かしていくエンジンだということを知っていたのでしょう。
そのことをインプロをやる俳優たちに、わかりやすく教えるために、このゲームを考案したのだと思います。
感情を使えば、ストーリーは動くということを俳優が知っていれば、即興の演技をやっているときに、感情を動かすチャンスがあれば、それを逃すことなく、大きく動かしてみようという気持ちになるはずでしょうから。
俳優は、芝居の中で感情の表現をすることが仕事です。
作家は、ストーリーの中で、感情を動かすシーンを書くのが仕事です。
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