2008年06月08日

百万長者の初恋

『百万長者の初恋』という韓国映画をDVDで見ました。
監督キム・テギュン、脚本キム・ウンスク、主演ヒュンビン。
(ちょっとネタバレ気味の内容になるので、気になる人は、注意してくださいねー)
百万長者の初恋
コメディかと思って借りてきたら、予想とはまったくちがって、『世界の中心で愛を叫ぶ』系列の純愛映画でした。
えー、そういう映画なの?
と、思って見ていたんですが、映像の美しさもさることながら、主演女優さんの美しさ、丁寧な演出、シナリオのうまさなど、いいところ満載の佳作でした。
けっきょくラストは、泣かされてしまいました。

主人公たちが、病気のせいで、最期はひきさかれてしまうとわかっていても、映画のなかのできごとだ、物語だとわかっていても、やっぱり泣いちゃうんですよねー。
いい物語、映画とは、そういうもんです。

ぼくは、この手の映画を、病気物と呼んだりしてます。(あんまりいい言い方じゃないけど)
主人公の一人が、不治の病にかかっているという、最大のトラブルを抱えて、物語がはじまります。
この人生最大の障害に、けっきょくは勝てないとわかっていても、主人公たちはこれに立ち向かいます。
そしてたいていの場合、この戦いに破れて、主人公は死んで行くんですが、彼らはその代償として、大きな愛を勝ち得ます。
そして僕たち観客は、悲劇の物語を見て、涙しながら、その愛のカタルシスにひたるわけです。

なぜ、僕たちは、『主人公が不治の病にかかっている』という、極端な物語の設定をすんなりと受け入れることができるのでしょうか。
それは、その人生最大のトラブルが、僕たち自身の身にも、いつふりかかるかもしれないと、心のどこかで思っているからでしょう。
人間誰しも、死なない人はいません。
『人は、生まれながらに、死という病にかかっている』と誰かが言ってました。
うまいこと言うもんです。
そう、僕たちはみんな、『死』という不治の病にかかっているわけです。
だれもこれから逃れることはできません。
ふだんはそれを忘れて生活をしていますけど。
つまり、これは人ごとではないんです。
誰にでもあてはまることなんですね。

映画は、僕たちに大事なことを、たくさん教えてくれます。
人生には限りがある、終わりはかならずくる。
だからこそ、それがくるまでの時間のなかで、精一杯生きなければならないし、そこで愛を見つけることこそが、大事なことなんだと。
愛を見つけた者こそが、勝利者だと。



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Posted by 名誉館長 園田英樹 at 10:44 | Comments(1) | 映画
この記事へのコメント
人生も愛も競争なんですか?
愛を見つけられない人が多いから社会は病んでいるのではないですか?
Posted by 敗者 at 2008年06月10日 14:05
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