2016年04月15日

心に情熱の火をつけること

高校生への脚本とインプロの授業がはじまりました。
週に一回ですけど、ういういしい高校生と交流するのは、毎回新鮮です。
十六年目になります。
ふと気付いてびっくりしました。
新入生の子供たちは、僕が教えることをはじめてから生まれた子たちなんですね〜。

そして二年前一年生だったときに、三ヶ月だけインプロを教えた子たちが、三年生になっていました。
彼らの成長も感じて、高校生の三年間というのは、人間が見た目も精神的にも大きく変化するときなのだというのを、実感します。

自分で言うと自慢になってしまいますが、かなり面白い授業をやっていると思っています。
十五年間、さまざまなトライアンドエラーを繰り返して、メソッドを開発してきましたから。

しかし高校生たちには、テクニックを教えるよりも大事なことがあると思っています。
まだこれから何にでもなっていける可能性の塊のような子たちに必要なのは、自分を自分ではげまして育てていける情熱の火だと思います。
彼らの心に、その火をつけられるようにがんばります。


脚本の授業では、シアターゲーム的なことをやったりしながら、こちこちに固まっている社会性という名の無意識を取っていくことからはじめます。
自由な発想で創作をする脳にしていくのです。
連想ワードゲームなどをたっぷり目にやります。

発想力の基本は、連想力だと思うからです。
無意識を使って創作をする。そこに近づけるようにしていきます。

インプロの授業では、今期は、エクササイズのやりかたを少し変えてみることにしました。
即興の授業なのに、一回目は脚本を使った、本読みから始めました。
脚本から、「感情の変化」を読み取ること。
短いセリフのやりとりの中にも、無数の感情があって、それが瞬間瞬間、変化していることに気付くこと。
それをまず理解するためには、脚本を読むことから始めたほうがいいと思ったからです。

渡された脚本のセリフの横に、「そのセリフはどんな感情で言うのだろうか?」というのを、( )の中に書いていきます。
いわゆるサブテキストを読み取る練習です。それを感情にしぼったやりたかたです。

インプロ(即興劇)でも、まずはちゃんと感情を使ったやりとりのあるシーンを作ることが大事です。
それをするためにも、これから自分たちがインプロでやるようになることに近いシーンを、脚本で読んでおいた方が理解は早いだろうと考えました。

スポーツを始めた選手には、まずは正しいフォームを教えることが大事です。
正しいフォームを知らないまま、自分流でやりはじめると、体を壊したり、いらない癖がついてしまうことが多々あります。
それを避けるためにも、最初に正しいフォームを体験してからの方がいいと思ったのです。

登場人物の感情と、その変化こそが、なによりもシーンを面白くしているのだということをわかった上で、いいインプロができるように指導していきたいです。


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Posted by 名誉館長 園田英樹 at 10:01 | Comments(0) | 脚本 | 映画と小説 | 演劇
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