2016年02月19日

構成を練る作戦の続きです

ストーリー脚本教室(実践編9)

 前回の続きです。
 くわしいプロットをつくるやりかた、登場人物をくわしくしていくやりかたを、紹介しました。
 それらを地道につづけていくことが大事です。

◯カードを使って構成を練る作戦。

 百円均一ショップなどで売っている、葉書よりも小型のカードを買ってきます。
 そのカードを使って、構成を練っていくやりかたも、僕はときどきやっています。

 カードの一枚に書き込むのは、そのシーンに出てくる人物と、そこで行われる行動、アクション、感情の変化などを、メモ的でいいので書き込んでいきます。(てきるだけ簡潔に書いた方がいいです)
 もしセリフ等が浮かんだら、それもメモしておきます。
 シーンごとに、このカードをつくっていくのです。

 カードをバーッとならべると、自分が書こうとしている物語が、全体で俯瞰できるしくみです。
 全体をながめると、本当に必要なものと、そうでないものとが、自ずと見えてきます。
 シーンを入れ替えると、さらに効果的だったりするところも、見つけだすことができることもあります。

 このカード作戦のいいところは、持ち歩けるということです。
 カードの束は、どこに行くにも携帯できるので、ちょっと時間があれば、そのカードをながめて構成を練ることができるわけです。
 移動することの多い人には、使える作戦だと思います。

◯ポストイット、壁に貼り付け作戦。

 これも僕が日常的に使ってるやりかたです。
 強粘着のポストイットというのがあります。
 糊の強いやつです。
 すぐにはがれてしまうやつはダメです。

 これにカード作戦と同じように、シーンで書かなければならないことをメモしていきます。
 そしてそれを、どんどん壁に貼っていくのです。
 これははったりはがしたりすることができるので、それを並べ替えながら構成を練っていくというやりかたです。

 手近に自由に使える壁がないとだめですけどね。
 大きなホワイトボードとかを持っている人は、それを使えばいいと思います。
 僕的には、執筆する部屋の壁を全部使えれば理想ですね。

 この作戦を僕も使っているので、僕の仕事部屋の壁には、ポストイットがべたべた貼られてます。

 これで気をつけなければならないのは、ポストイット(これは製品名でしたね。ほかの会社の類似製品でもいいです)ははがれる可能性もあるということ。
 はがれてどこかに飛んでいってしまうと、見つけるのは難しくなります。
 気をつけてください。

◯構成には、いろんなやり方があるので、自分に合った方法を見つけてください。

 ストーリー、脚本などを書き進めていくなかで、あとで構成で悩むよりも、書き出す前に構成をきっちりと決めてから書き始めた方が、途中で迷わずにすむことが多いです。

 しかし、それが総てでもありません。
 構成なしで、どんどん書き進めていくことが、自分に向いているという人もいるでしょう。
 その人は、自分のやりかたを推し進めてくれればいいと思います。

 面白い作品が出来上がることが目的なので、結果が良ければ、やりかたはなんでもいいのです。
 ここで僕が紹介しているのは、あくまでも、一つのやりかたなのですから。


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Posted by 名誉館長 園田英樹 at 10:29 | Comments(0) |  | 映画 | 脚本 | テレビ | 映画と小説 | 演劇
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